一眼レフ旗艦機、初代Fの偉大な後を継承して1970年代の自動露出機能を引っ下げて新たに登場した第2のFであるF2は露出計を備えた利便性の高さとニコン伝統の堅牢性が売りでしたが、その一方で当時はまだ未完成であったカメラ内蔵露出計に対して一抹の不安を抱いていたプロカメラマンに対する供給の選択肢のひとつとして露出計を持たないF2アイレベルもラインナップに加えていました。当時、前人未到の山岳や極北の地の探検家であった植村直己からの絶対に壊れない頑強なカメラをとのリクエストに応えたニコンは1978年に世界初のチタン素材で全身を纏った極地仕様のF2 Titan ウエムラスペシャル(写真10枚目)を誕生させましたが優れた堅牢性ゆえにその供給を希望して止まない一部のプロ写真家や報道関係者に対しF2 Titan(一般にはノーネームと言われます)が少数ながらデリバリーされました。やがてその評判は巷に拡がり是非とも一般市販をと望む熱いラブコールが起こったのも当然でした。そして1979年、ニコンはファンの期待に応え2000台限定でTinanの文字を入れた(一般にはネーム有りと言われます)市販版を発表したのです。まるで兵器然としたその黒結晶塗装は独自の凄みと存在感を放ち、チタン素材が持つ性質そのものの理由からかノーマルF2が放つシャッター音がカシャン!に対してカキィ~ンという1オクターブ高い金属音を放ち、手にした時の安心感といい塗装の質感といい所有する歓びは他のカメラとは一線を画すものです。今からおよそ20年程前、私はF2 Titan が欲しくて探し回った頃がありましたがその時には既に新品は払拭しているので当然ながら中古市場がその対象となる訳です。その中で幸いにも東京で超極上品を扱う事に特化した店とご縁があってまさに工場出荷状態の素晴らしい一品と巡り合う事が叶ったのです。当時でも極めて高価な買い物でしたが(笑)幸せでした。以来、これまでに実際にフィルムを通して撮影をしたのは僅か2~3回に留まり、普段は良好な環境での冬眠状態にありました。勿論、時折は空気に触れさせ全速域で巻き上げ&レリーズは行っていましたのでメカ的には問題ありません。傷・擦れ・ヘコミは皆無で状態には絶対の自信があります。次の世代を担う方に継承して頂きたく出品を決意するに至りました。どうぞ宜しくお願い致します。
商品の情報
カテゴリー | 家電・スマホ・カメラ > カメラ > フィルムカメラ |
ブランド | ニコン |
商品の状態 | 未使用に近い |