八重咲き、大輪の花を咲かせる「右近桜(鬱金桜)」が見事に咲き誇る振袖です。地紋も桜となっており、まさに桜尽くしの一枚です。「繁栄」や「豊さ 」を表す縁起の良い吉祥文様であり、日本の国花として愛される桜が描かれたお着物は数多く存在しますが、大胆にも桜だけが一面に描かれており、且つ、敢えて「右近桜(鬱金桜)」が選ばれている点に拘りが感じられ、気に入っておりました。というのも、この「右近桜(鬱金桜)」は、数百品種ある桜の中で、黄色の花を咲かせる唯一の品種なのでだそうで、別名「美人桜」とも呼ばれているそうです。そんな「右近桜(鬱金桜)」ですが、金色に開花した後、徐々に白くなり、散る間際には、花の中心部が紅色を帯びた姿へと変化する大変珍しい品種と言われており、その透き通るような薄萌黄色の花びらが風に散るさまは江戸時代から風情のあるものとされています。四季の移ろいに心情を重ねて楽しむ心は日本特有の情緒的な文化ですが、徐々にその色を変えながら、はらはらと舞散る情景は、時の移ろうさまを感じさせ、消えゆくものへの郷愁や、変わってしまうことへの複雑な思いといった感情が表現されているかのようです。一方で、未来への期待を抱き、そうした変化を楽しんでいるかのような一面も感じられる点は、この着物特有であるような気も致します。当時、裾暈しが大変美しい振袖と出会い、心を決めておりましたが、他を見ている間に別の方の元に行くことが決まってしまいました。諦めきれずに、裾暈しが綺麗な振袖を探し続けた末に出会った品で、前述の点も相まって迎える運びとなりました。同じように気に入ってくださる方がいらっしゃいましたら嬉しいです。成人式や卒業式などに。
商品の情報
カテゴリー | レディース > 浴衣/水着 > 振袖 |
商品の状態 | 目立った傷や汚れなし |