1970年台後半は、松岡良治が製作家として成熟し、しかも良質な材料がふんだんにあった、まさに全盛期です。当ギターのシリアルは9から始まる79年製です。同年の河野賢の価格帯との比較と木目からして、このギターは表板はジャーマンスプルース単板、裏横板は柾目ハカランダと思われます。(ちなみに1979年、河野賢は10万円の10号がローズウッド、20万円の20号をハカランダとしていました。)この機種のラベルは、70年代後半頃の限られた時期にしか存在せず非常に希少です。1979年時点でこのラベルでは、100番台が定価10万円でジャーマンスプルース単板&ローズウッド単板の総単板があったのは有名ですが、当ギターはその2倍です。定価20万円の200番台は超希少ですので、10年に1本も出会う機会はあるか無いかです。当時の定価20万は、現在に換算すると少なくとも80万円はするはずです。1979年6月発行のギター雑誌の宣伝では、最高で15万のM150番台までしか掲載してなかったので、M200はその直後に出た最上級と思われます。私は過去、ローズウッド単板使用の総単板MR80(1978年)を使用してましたが、このM200はそれをはるかに超越した銘記となっています。ローズウッド単板も素晴らしかったですが、その機種の2倍の価格帯ですので当然ではありますが、レベルが違います。ヘッドはラミレスタイプです。松岡が最もこだわってきたのがラミレスモデルですので、このM200はまさに松岡流ラミレスの全盛期の到達点と言えます。松岡の「あのトーン」が、さらに迫力と洗練を増して響いてくれます。コメント欄に当ギターの音源のリンクを載せます。クロサワ楽器のYouTubeでもラミレスの新作の音源が聴けますが、たとえばローズウッド単板クラスのラミレスと比較するなら(それでも定価66万円レベルですが…)、レスポンス、サステイン、バランスなどの点でこの松岡が本家を上回っていることをはっきりと感じられると気づけるかもしれません。弦高は標準の3mm〜4mm、弦長650mmです。小傷や塗装クラックはありますが構造的ダメージは無く、ネックはまっすぐ、フレット残も9割以上で、演奏性は新品と大差ありません。当モデルを弾かずして、松岡ファンは名乗れないことに気づけるでしょう。
商品の情報
カテゴリー | おもちゃ・ホビー・グッズ > 楽器/器材 > アコースティックギター |
商品の状態 | やや傷や汚れあり |